住宅ローンについてフラット35か地方銀行の期間固定型がいいかの相談を受けます
最近はネット銀行が金利が低いなど、いろいろな情報が出回り情報が多い方は選択肢が多くて大変かと思います
住宅の営業をしている方からもお客様がいろいろな知識があり営業担当者が経験不足なのかなかなか話が伝わらない事もよく耳にします。
住宅ローンは金利情報だけで判断していませんか?
ネット検索などおすすめを探すと金利が低いネット銀行がよく目にします。
確かに金利は低いに越したことはありませんが、金利だけで判断は少し判断材料が不足かと思われます。
住宅ローンにはいろいろな保障がついています
保障について、団信(団体信用生命保険)や最近では疾病保障(3大疾病、7大疾病等)がついたものがあります。
この団信や疾病保障について金利に含まれていない事がネット銀行やフラット35(住宅金融支援機構)の商品には多いです。
当然ですが、これらも考えると金利は大概は金利にプラスされます。0.2%金利にプラスされたり、別途費用がかかったりする点を注意する事があります。
注文住宅など請負契約の場合や土地を購入して新築の場合
住宅の建築にはものを買う売買契約と違い請負契約となり支払いのタイミングが何度かにわかれている事があります。
タイミング的には
- 土地を契約する時
- 土地の決済をする時
- 建物の請負契約をする時(建物の契約時)
- 建物の着工する時
- 建物の上棟する時
- 建物の大工完了時
- 建物の完成時(建物の引渡しを受ける時)
等など
これらの支払いタイミングは会社によってまちまちですが、支払いのタイミングがいくつかにわかれている事がよくあります。
完成までの期間が半年以上かかったり長く、大きな費用がかかり会社の規模によっては費用を預かり材料の仕入れや、職人さんへの支払いなどがある為です。
そこで金融機関によっては途中の支払いができず、別途完成までの支払いについて個別に借入(つなぎ融資)をしなければいけないことがあります。
こちらのつなぎ融資については金利もかかりますし、抵当権を設定しなければいけない事が多く金利以外にも税金や司法書士の手数料などもかかります。
保証料や事務手数料、更新時の手数料の有無など
金利は安いが保証料が別途かかったり、事務手数料が高いなど金利以外の判断材料もあるので一概に金利のみで判断すると予想外の出費につながるのでこれらも忘れずに検討をお願いします。
全期間金利固定型、期間固定金利型(変動金利)について
全期間固定型
フラット35の場合35年間金利が変わらない商品で住宅金融支援機構が商品提供しており、各銀行など窓口によっては金利が多少変わります。
メリット
全期間固定型のフラット35なども住宅ローンの借り入れ期間全ての金利が変わらない為将来の計画を固定して決められるなどの安心感(保障)があるのがこちら
デメリット
世の中の金利が下がっていても当初の金利のままなので毎月のローンの返済額が変わらず、支払額が減ることがありません。
フラット35についてはこちらから
期間固定金利型
期間固定型については、3年固定や5年固定、10年固定などの決められた期間の金利が変わらない商品で3年固定の場合、3年間は金利が決められていて、3年後はその時の情勢を見て金利が決まる商品で固定期間が終わると金利がどうなるか決まっていない商品です。
一般的には期間が短いほど金利が低く、期間が長いほど金利は高く設定されています。
メリット
全期間固定型の商品より金利が低いことがあります。
変動金利タイプよりも、少し期間が固定されているため返済計画を計画的にできます。
変動金利と全期間固定型の間のメリットが受けられるかも
デメリット
一般的には変動金利型より金利が高いことがあり、固定期間が終わると金利が変動することがあります。
変動金利型
返済期間中に金利が上昇したり、下がったりする可能性のある金利設定の商品です。
金利設定についてはその時の情勢や金融機関によって条件は変わりますが、一般的には半年に1度見直される事が多いです。
メリット
金利が下がっている時にはその恩恵が受けられることもあります。
また一般的には固定金利型より金利が低いことが多いですが、地方銀行によっては固定金利の方が低いこともあります。
デメリット
金利が上がると返済額が上がるので家計への負担が大きくなることもある
返済計画が金利が変わることに変化するので安定した計画ができない可能性が大きい
返済期間は定年前など早い方(短期間)がいい?
早く返済を終わらせてローンがないなど身軽にしたい方は多いと思います。
住宅ローンを早く終わらせたい人はそれでもいいかもしれません。
こんなケースも選択肢としてあり?
今は金利が1%前後でほとんどの方が1%以下かと思います。そんな方はあえて長い期間借りることにして積み立てる方法も検討することが選択肢に入るかと思います。(金利が低いからできる検討方法として)
仮に4,000万円を35年の返済計画と20年での返済計画を検討している方へ(金利を1%として計画)
35年は毎月「112,914円」の返済
20年は毎月「183,957円」の返済
35年の借入期間にして実際は20年で返済するとした場合183957円−112914円の差額を71,043円を別口座(繰上げ返済用口座)などに毎月積み立ておく方法もあります。金利が上昇局面だと積み立てた金額を繰上げ返済して期間短縮を図る事で下記のメリットを受けることができます。
メリットについて
住宅ローン減税でできるだけ多くの税金の戻しが受けられる
万が一の際には団信や疾病保障で住宅ローンが無くなるので、普段かけている生命保険などの見直しが図れる。
金利が上昇局面までは繰上げ返済分の資金があるので活用の仕方によっては自由に動かせる資金を活用できる(金融知識の多い方には活用の選択肢が増えます。上級者向けですが)
デメリットについて
返済期間が長くなることにより銀行契約時の保証料が高くなる金融機関がある。
金利が低い時だけのメリットなので金利が上昇局面だと返済額が単純に増えることになる。
急速な金利上昇はないのでデメリットは少ないですが、金利が低い今しかできない限定的なところがある
住宅ローンと自己資金の割合
借入は少ない方がいいと思っている方が多いと思います。
借入は少ないに越したことはありませんが、考え方を変えれば自己資金を手元に置いて借入を増やすことも検討してはいかがでしょうか?
こちらも金利が低い期間限定の方法ですが、いつでも繰上げ返済できる資金があるのならあえて借入を増やして住宅ローン減税をフルに活用したり、返済期間についてでも触れたように住宅ローンには団信や疾病保障などついているので生命保険料など色々検討の余地もあります。
もちろん借入金額を増やすと抵当権設定費用など税金が少し増えますが、自由に動かせる資金を手元に置いておけることはいろいろと便利なことが多いです。
金利が上昇局面では繰上げ返済することでリスクは回避することができるので抵当権設定費用が少し増えることをどう捉えるかで色々できる選択肢が増えます
住宅ローンを組む前に(意外と相談しない方が多い)
住宅ローンを組む時は親に相談していますか?
住宅営業をしていると最終金の手続きをする頃にご両親などから資金援助の話があって困ることも多々あります。
普段からご両親などと会話が多いご家庭ならあまりそんなことはありませんが、建築途中にご両親などからの資金援助の提案があり手続きに困ること、資金援助が受けられない(少額のみ)など住宅資金の非課税制度をフルに活用できないケースがあります。
住宅資金贈与の非課税制度があるので事前にご両親などにも相談・報告しましょう。そんな人は少ないと思いますが、親に話しずらい時は営業マンを頼ってみましょう。きっと上手にご両親様に話ししていただけると思います。
結論(言いたいこと)
金利だけの偏った条件やネット情報の人気のおすすめランキングなどで決めるより、住宅ローンの完済時期までかなり長い期間を要するので、返済計画や完済までの様々なリスクを踏まえ検討していくことが大事です。
また全国的なランキングなどもありますが、地域によっても全国と違う特徴のある金融機関もあります。私のいるエリアでも全国平均より地方の銀行が住宅ローンのシェアが大きいところもあるのでご注意です。
最終的に決めるのは自分ですが、お金のことなので銀行や人任せにしないでみんなが自分で判断して無駄な費用をかけずに住宅ローンと付き合って聞けるといいと思います。
もう一つこれから住宅を検討しているなら担当している住宅営業マンなどで住宅ローンを持っている人に聞く事も一つの選択肢になると思います。その際にはどのような考えでどこの住宅ローンを組んでいるのかしっかり言える担当者は頼り甲斐がある方です!!
おしまい
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